伝わっているつもりでも、伝わっていない。そんな「設計のズレ」に気づいた日常の一コマ。

私が定期的に通っている、駅前にある大きな総合病院。自宅近くでは唯一の皮膚科があることに加え、曜日と時間を選べば待ち時間も少なく、さらに駐車場が無料ということもあり、長らく利用してきました。

ところが通院のたびに、ちょっとした違和感がありました。

病院内は空いているのに、駐車場はいつも埋まっている。

時間帯によっては待合室がガラガラなのに、駐車場の混雑状況は変わらない。なぜか車の数だけがいつも多いのです。


駅前立地が生む「無断駐車」の温床?

実はその病院、駅から非常に近く、すぐそばには大きなスーパーもあります。そのスーパーの駐車場は、買い物1時間以内であれば無料。1時間超過で200円/時間、上限800円という設定で、最近では**月極契約(月額7,000円)**まで導入されるほどの需要があります。

つまり、**「駅前に車を置いて出かけたい」**というニーズが明確に存在していたのです。

おそらく、病院の駐車場も「無料で長時間停められる場所」として利用されていたのではないか――。そんな仮説を持っていました。


久しぶりの通院。気づいたら、駐車場が有料化されていた

先日、久々に病院へ行くと、案の定駐車場が有料化されていました。

「やはり…」と思うと同時に、気になったのは料金体系。
隣のスーパーと同じナンバー入力型の精算機だったこともあり、ついこう思ってしまったのです。

「どうせ診療を受けた人は無料でしょ」

そう思い込んでしまいました。


表示は300円。文句を言いかけて、チラシを見直した

診療・会計を終えて精算機を操作すると、表示されたのは300円という料金。

「あれ?無料じゃないの?」「割引きいてないのでは?」と、
職員さんに声をかけそうになったところで、チラシの内容を見直してようやく気づきました。


🧾 病院駐車場の新料金体系(概要)

  • 診療患者:5時間まで300円、以降1時間ごとに100円
  • 駐車目的のみ:1時間600円(上限なし)
  • お見舞い:受付で割引券を配布
  • 精算には診療受付票のバーコードが必要(※捨てないこと)

つまり、「診療を受けた人でも無料にはならない」のです。
割引が適用された状態で300円だったというだけの話。


思い込みの原因は「設計」だった

今回の一件、完全に私の思い込みが原因でしたが、その“思い込み”を誘発したのは以下の要素でした。

  • 以前は無料だったという過去の体験
  • 精算機のUIがスーパーと同じで、同様の仕組みだと思ってしまった
  • 駅前施設=「利用すれば無料」の空気感
  • 有料化の理由や背景説明が見当たらなかった

このように、「情報は提供されているのに伝わらない」「誤解が発生する」というのは、設計の問題だと考えています。


「伝える」ではなく「伝わる」設計を

今回のような体験は、私の仕事であるIT導入支援・業務効率化コンサルティングでもよく見かける構造です。

例えばこんな声をよく聞きます。

  • 「なんでこの操作が必要なのか分からない」
  • 「結局、前より手間が増えた気がする」
  • 「うちの社員、ぜんぜんシステム使ってくれなくて…」

こういった課題の多くは、仕組みそのものの内容よりも、設計や説明、導線の“見せ方”が原因だったりします。


私が大切にしている「現場が納得できる設計」

私は、導入するシステムや仕組みが「使われてはじめて価値がある」と考えています。

そのために、現場の声をきちんと拾いながら、
「なぜ必要なのか」「どう使えばいいのか」が自然と伝わるように、しくみの設計そのものをデザインすることを重視しています。

今回の駐車場の体験は、「伝わらない設計が生む誤解」の典型例でしたが、
まさに私が日々解決したいと考えている課題そのものでした。


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