「UTMを入れているので、セキュリティは大丈夫です」

これは、現場でよく聞く言葉です。

UTM(Unified Threat Management)は、ファイアウォールやVPN、ウイルス対策など複数の機能をまとめたネットワークセキュリティ機器です。中小企業を中心に広く導入され、「UTMを入れているから安心」と考えられるケースも少なくありません。

実際、UTMはファイアウォールやウイルス検知、VPNなど複数のセキュリティ機能を1台にまとめた便利な機器で、以前は「これを入れておけば安心」と言われることもありました。

しかし今は、状況が大きく変わっています。

クラウドやテレワークが当たり前になった現在、UTMだけでは守れないケースが増えているのです。

では、なぜ「UTMを入れているのに被害にあう会社」が存在するのでしょうか。
今回は、現場でよく見かける“見落とされがちなポイント”を3つに整理して解説します。


① ウイルス検知機能がほとんど機能していないケースがある

UTMの機能の中でも、特に期待されるのが「ウイルス検知機能」です。

ただし、ここには大きな落とし穴があります。

現在、Webサイトの多くはHTTPS(暗号化通信)でやり取りされています。
この場合、UTMは通信の中身を直接確認することができません。

つまり、UTMのウイルス検知は「見えている範囲でしか判断できない」という制約があります。

対策としては「SSLインスペクション(通信の復号)」という機能を使うことで、通信内容を解析することが可能です。
しかし、これには以下のような課題があります。

  • 導入・運用コストが高い
  • 設定が複雑で誤設定リスクがある
  • パフォーマンスへの影響が出る
  • 検知方法がパターンマッチ中心で限界がある

結果として、「機能はあるが実際には使われていない」「使っていても効果が限定的」というケースが少なくありません。


② 境界防御だけでは守れない環境になっている

UTMはもともと、「社内ネットワークとインターネットの境界で守る」という考え方に基づいた製品です。

いわゆる「境界防御」と呼ばれるモデルです。

しかし現在はどうでしょうか。

  • クラウドサービスの利用
  • テレワークの普及
  • モバイル端末の活用

こうした環境では、必ずしもすべての通信が「社内ネットワーク」を通るわけではありません。

例えば、テレワーク中のPCが自宅から直接クラウドにアクセスしている場合、その通信はUTMを経由しません。

つまり、UTMの外側で業務が完結してしまうケースが増えているのです。

この状態で「UTMがあるから大丈夫」と考えてしまうと、実際には守れていない範囲が広がっていることに気づきにくくなります。


③ VPN機能が逆にリスクになることもある

UTMにはVPN機能が搭載されていることが多く、リモートアクセスのために利用している企業も多いと思います。

ただし、このVPNも運用次第ではリスクになります。

最近のサイバー攻撃では、VPN機器のぜい弱性や設定ミスを狙った侵入が増えています。

もしVPNが突破された場合、どうなるか。

多くの場合、社内ネットワークへのアクセスがそのまま許可されてしまいます。
つまり、一度侵入されると内部まで一気に入り込まれる可能性があるのです。

さらに問題なのは、以下のようなケースが多いことです。

  • ぜい弱性情報を定期的に確認していない
  • ファームウェアの更新が行われていない
  • ログを確認していない
  • 不審なアクセスに気づけない

この状態では、「気づかないうちに侵入されている」というリスクが現実的に存在します。


UTMが悪いのではなく、「使い方」が問題

ここまで読んで、「UTMは意味がないのか」と感じた方もいるかもしれません。

しかし、そうではありません。

UTMは適切に使えば有効な対策の一つです。

問題は、UTMを導入することで
「これで守れている」と思ってしまうことにあります。

セキュリティは1つの製品で完結するものではなく、

  • 端末側の対策
  • 認証の強化(ID・パスワード管理)
  • 運用ルールの整備
  • ログの監視やインシデント対応

といった複数の要素を組み合わせて初めて機能します。


コストのかけ方を見直すという視点

もう一つ見落とされがちなのが「コストの使い方」です。

UTMはリース契約で導入されることも多く、月額で見ると負担が小さく感じられる場合があります。

しかし、長期的に見ると

  • 実際には使っていない機能に費用を払っている
  • 技術が陳腐化しても使い続けることになる
  • ベンダー依存が強くなる

といった状況になりやすいのも事実です。

もし、効果が限定的な対策にコストをかけているのであれば、
その分を別の対策(例えばエンドポイントやID管理)に回した方が、全体のセキュリティは向上する可能性があります。


最後に

セキュリティ対策で重要なのは、「何を入れるか」ではなく「どう守るか」です。

もし、

  • 今の対策が本当に効果的なのか分からない
  • ベンダーの提案をそのまま受け入れている
  • どこにリスクがあるのか整理できていない

といった状態であれば、一度立ち止まって見直してみる価値があります。

対策は“やっていること”よりも、“機能しているかどうか”がすべてです。

「自社の共有設定は本当に大丈夫だろうか?」

そう感じた場合は、一度現在の運用を見直してみることをおすすめします。
nolan合同会社では、中小企業向けに、

  • Microsoft 365
  • Google Workspace
  • ファイル共有運用
  • 権限管理
  • 情報漏えい対策

など、現場運用を踏まえたセキュリティ支援を行っています。

  • 「今のUTM設定で十分なのか分からない」
  • 「VPNやクラウド利用を含めて見直したい」
  • 「どこまで守れていて、どこが守れていないのか整理したい」

など、現場運用を踏まえたセキュリティ支援を行っています。

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