最近、セキュリティコンサルタントとして中小企業の支援をしていて、ある傾向に気づきました。「うちは小さい会社だから、そこまでの対策は必要ないでしょう」という声をよく耳にするんです。

でも、実はそんな考えが最も危険なんですよね。

なぜ中小企業が狙われるのか?

私が以前、某中小企業でセキュリティ診断を担当していた時に驚いたのですが、想像以上に多くの企業が基本的な対策すら取れていない状況でした。実は、これが攻撃者にとって絶好の標的となる理由なんです。

具体的には、以下の3つの理由で中小企業は狙われやすいんですよ。

1. セキュリティ対策の不十分さ

IPAの調査によると、約33%の中小企業がセキュリティ投資をしていないそうです。

これは結構深刻な数字ですね。予算や人材の制約から、十分な対策が取れていない企業が多いのが現状です。

2. 攻撃のしやすさ

先日もクライアント企業で相談に乗っていたのですが、PCに共有フォルダ設定を行ってファイル共有を行っていたんです。これだと、ランサムウエア攻撃に遭うと、会社で使っているファイルがあっという間に暗号化されて、業務停止することになります。

このように、基本的な防御が不十分な企業が多いため、攻撃者からすると「楽な標的」として映るわけですね。

3. サプライチェーン攻撃の踏み台としての価値

2022年のトヨタ関連企業への攻撃事例は、業界内でも大きな話題になりましたね。実は私も似たようなケースの事後対応に関わったことがありますが、取引先の信頼を失うことによる損害は、金銭的な被害以上に深刻なものでした。

どんな脅威が待ち受けているのか

ランサムウェアの脅威が深刻化

統計によると、ランサムウェア攻撃の約60%が中小企業をターゲットにしているんですよ。私の経験でも、バックアップを取っていなかったために身代金を支払わざるを得なくなったケースを何度か見てきました。特に最近は、データを暗号化するだけでなく、情報を盗み出して公開すると脅してくるケースも増えているんです。

フィッシング攻撃の巧妙化

最近は本物そっくりの請求書メールが増えていて、見分けるのが本当に難しいんです。先週も某企業で「緊急」を装った不審なメールの分析を頼まれましたが、かなり精巧に作られていました。一般的な従業員が見ただけでは、本物と偽物の区別がつかないレベルですね。

今すぐできる対策とは?

では、どんな対策を取ればいいのでしょうか?私がいつもクライアントにお勧めしているのは、まずは「基本のキ」からです。

1. セキュリティ教育の実施

これは本当に大切です。特にフィッシングメールの見分け方と、パスワードの適切な管理方法は必須ですね。先日支援した企業では、月1回の勉強会を始めたところ、不審メールの報告が増え、実際の被害を防げたケースもありました。

2. 脆弱性管理の徹底

Windows Updateを始めとする基本的なアップデートですら、きちんと管理できている企業は意外と少ないんです。でも、これって実は重要な対策の一つなんですよ。古いバージョンのソフトウェアを使い続けることは、攻撃者に「どうぞ入ってください」と言っているようなものです。

3. 多層防御の実現

これは予算と相談になりますが、できればファイアウォール、IDS、EDRといった基本的なセキュリティツールは導入したいところです。私が最近導入支援したクライアントさんは、EDRを入れただけでも随分と安心できるようになったと仰っていました。

まとめ:小さな一歩から始めましょう

結論として、中小企業のセキュリティ対策は「できることから始める」のがポイントです。全部を一度にやろうとすると overwhelming になってしまいますからね。

私のお勧めは、まずは従業員教育から始めること。その上で、基本的なセキュリティツールを徐々に導入していく。そんなステップバイステップのアプローチが、多くの企業で成功を収めています。

最後に一つ。「うちは小さいから大丈夫」という考えは、もう卒業しましょう。規模に関係なく、すべての企業がサイバー攻撃のリスクに直面している。それが今のデジタル社会の現実なんです。

お気軽にお問い合わせください。受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]

お問い合わせ お気軽にお問い合わせください

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA